モフリの雑感
NPO法人 日本レスキュー協会
NPO法人 日本レスキュー協会のボランティア説明会に参加しました。
こちらは、阪神淡路大震災を契機に【犬と共に社会に貢献する】という理念のもと
➊ 災害救助犬の育成・派遣
➋ セラピードックの育成・派遣
❸ 動物福祉活動
の3つの活動をされています。
令和6年能登半島地震でも、すぐに情報収集を開始され、同日20時03分、隊員の方5名と救助犬2頭、ペット飼養世帯に今必要な支援を届ける職員の方2名が現地に出発されました。
こう聞くと、少し緊張感を感じてしまうのは私だけでしょうか…
ところが、実際にお会いしたワンコたちは、とても朗らかでした。
もちろん訓練中は緊張感が張り詰めているとは思いますが、私たちがお会いしたときには、準備してもらったプールで楽しそうに遊んでいました。
私たちの姿を見つけると、お気に入りの恐竜のおもちゃを1人1人に見せて回ってくれたり、おもちゃをこっそり隠そうとして、訓練士の方に注意されていたり…
普段は一般家庭の“うちの子”と変わりないのだなぁと、改めて感じました。
セラピードックのワンズは、その名のとおり<癒し>そのもの。
初めて会う私にも、笑顔で接してくれます。
災害救助犬も、セラピードックも、その子の性格を本当によく理解して負担が大きくならないよう配慮もされているとのこと。
社会に貢献してくれる子たちだからこそ、人間側の配慮は欠かせませんね。
他にも
「ペットの防災・ペットとの非難に関する講演や研修」も受けてくださっているそうです。
ぜひ尼崎市の活動にお呼びして、ペットの防災の情報を発信していきたいと思います。
NPO法人 日本レスキュー協会のHPのリンクはこちらです。
様々な支援も募集されていますので、関心を持たれた方はぜひ!!
私も、ボランティアとして、できることをひとつひとつ頑張ります♪
判例シリーズ 1
今日は「ペットに関わる判例」のご紹介です。
(広島高裁松江支部 平成15年10月24日判決)
中型犬を仕事場の車庫で紐でつないで飼育していた、飼い主さん。
ある日、前を通る小学5年生の子供さんが車庫に立ち寄り、犬に触れ、さらに近づいたところ鼻付近を噛みつかれてしまい、上口唇部挫創、鼻部擦過創と傷を負ってしまった事案です。
民法718条には【動物の占有者等の責任】が定められています。
簡単に言いますと「動物を飼っている人は(管理しているだけでも)その子が他人に与えた損害を賠償する責任がありますよ」と言っています。
ただし、なんでもかんでもではなくて、「その子の性質などに従って相当の注意をしていたら話は別ね」となっています。
そこでこの事件は、飼い主さんが「相当の注意をしていたかどうか」「子供さんに責任はなかったのか」が争われました。
この「相当な注意」。
最高裁判決では「通常払うべき程度の注意義務を意味し、異常な事態に対処しうべき程度の注意義務まで課したものではない」と解されていますが、実際には飼い主さんがある程度の注意をしていたとしても、相当な注意を払っていましたね、と認定されることはまれであるようです。
この事件でも飼い主さんは、私有地内で紐につないで飼育していたこと、【犬にさわらないでください】と看板を設置して注意喚起をしていたことなど主張されましたが、それでは足りないと判断されました。
それは、その犬が
・以前にも人に咬みついて怪我をさせたことが2件あること
・外部との境となるシャッターから約43㎝の地点まで出ることができるので、人が簡単に触ることができること
また飼育環境も
・私有地と言っても遮蔽されていないので、人が自由に近づけること
・公道付近は児童の通学路であること
などを理由として、【人が犬に近づかないような措置を講ずる必要がある】として「相当な注意を尽くしたとは言えない」と判断されました。
ただし、裁判所は子供さん側にも、「【犬にさわらないでください】と書かれた看板の内容を理解できたと言えるし、その犬が人を咬む犬だと認識していたのであるから不用意に犬に近づき手を差し出したことがこの事故を招いた一因であった」として過失の割合を5割としました。
結果、障害慰謝料 20万円
後遺障害慰謝料60万円 の合計80万円が認められましたが、過失相殺により、子供さん側の請求としては慰謝料合計40万円が認められることになりました。
本当に悲しい事故です。
子供さんも犬が大好きだから触れたかったのではないでしょうか。
動物を嫌いにならないでいてくれたら…と願わずにいられません。
動物と暮らす人は、他の人に迷惑をかけたり怪我を負わせたりしないように細心の注意を払いながら、でも動物たちとの暮らしを楽しんでいく必要がありそうです。
すべての“うちの子”と飼い主さんが、油断は排しながらも幸せに暮らしていけますように。。
私も気を付けます。
狼と犬
先日、双志郎と私の様子を見ていた方から「まるでコミュニケーションが取れているように見えますね」と言われました。
しばらくして、この方は動物と暮らしたことがないために、動物とコミュニケーションを取ったご経験がないのだと気づきました。
そこで、犬の祖先である狼の表情はクールだけれど、犬は長い間の人との暮らしの中で、人とコミュニケーションを取るために表情筋を発達させてきたと言われているお話をしました。(PNAS誌 ~犬の顔の筋肉の解剖学的構造の進化~より)
これは本当にすごいことです。
犬が人のパートナーとして長い歴史を紡いできた結果なのですから。
それはさておき。。
では、狼と人はコミュニケーションは取れないのでしょうか?
動物園などで狼を担当されている方々のお声を実際にお聞きしたことはありません。
それでも「取れるよ」とおっしゃると思うのです。
犬とのような形ではないとしても、やはりコミュニケーションは取れていると思います。
狼に限らず、生き物と会話をしている方々はたくさんいらっしゃいます。
犬や猫、鳥類などの人と暮らした歴史が長い種族だけでなく、動物園で暮らす動物たちと飼育員さんたち。
哺乳類だけではありません。
ある方は亀をとても大切に育てていらっしゃいます。
その子は飼い主さんが顔を見せると寄ってきます。
「ごはんがもらえる」からかもしれません。
それでも嬉しそうに自慢される飼い主さんを見ている私まで、嬉しくなっています。
これも立派なコミュニケーションですよね。
人だけでなく、犬と猫、犬と鳥など異種族同士の意思疎通もよく見かける光景です。
お互いに相手を必要として、意思の疎通をはかりたいと願い、努力を怠らなければ通じることがあると思います。
願わくば、すべての飼い主さんと“うちの子”が素敵な関係を築けますように…
「ひかり」くん、山へかえる
※写真はひかるくんではありません
昨年7月に対馬市の国道で、交通事故によりケガをしたツシマヤマネコの男の子が今月22日、山へかえっていきました。
かえっていったのは、「ひかるくん」推定1才。
保護された当時は推定2か月ほどで、自力でごはんを食べることが難しいと判断され「対馬野生生物保護センター」で治療やリハビリを行ったあと、「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」で野生に順化するための訓練を受けました。
そして今月22日、野生での生活に支障がないと判断され、山へかえされました。
対馬野生動物保護センターでは、絶滅危惧種であるヤマネコを守るためには、保護と同時に必要に応じて山へかえすことが有効であると考えていらっしゃいます。
けれど、哺乳類の野生復帰は国内での前例がないため、野生復帰のための技術を新たに開発する必要があるということで、この「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」が整備されたそうです。
※「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」で訓練中のひかるくん=11月、長崎県対馬市(環境省対馬自然保護官事務所厳原事務室提供)
ひかるくんが、仲間たちとうまくやっていけますように。。。
上手にごはんを食べることができますように。。
元気で幸せでありますように。。
スタッフの方々の祈るようなお気持ちが伝わってくるようです。
このような取組みがどんどん増えてくれればいいなと願います。
絶滅しかけてしまった一因はきっと人にもあると思いますが、また守れるのも人だと思うのです。
他の、野生の生き物たちと人も、ちょうど良い距離感で共生できることを願ってやみません。
以下、「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」のリンクです。
ご興味がありましたらどうぞ♪
https://kyushu.env.go.jp/twcc/center/station.html
原則、非公開ですが、隣の施設(龍良山麓自然公園センター)のモニターで、2番ゲージの様子がリアルタイムで公開されているそうです。
行ってみたい。。
クマが指定管理鳥獣に指定されました
4月16日、北海道のヒグマと本州のツキノワグマが指定管理鳥獣に指定されました。
(絶滅の恐れがある四国は対象外)
「指定管理鳥獣」とは、鳥獣保護管理法で全国的に生息数が著しく増加していたり、生活環境や農作物、それに生態系に被害を及ぼしたりする野生動物で、集中的かつ広域的に管理が必要な種を対象としている、、とあります。
指定されると、捕獲や調査などの費用や人材育成などについて国が支援することになります。
クマを指定管理鳥獣に指定した意義について、酪農学園大学の佐藤喜和教授は「クマの数を減らすことが目標だと思われがちだが、人とクマとのあつれき、出没、人身被害を減らすことが究極の目標だ」と述べられています。
これまで都道府県は現場の被害対策や緊急対応で精一杯で十分調査できなかった。国の補助を得て、しっかりと調査できることが大きなメリットではないか。
とも述べられています。
環境省では【クマに注意!ー思わぬ事故をさけようー】と小冊子も作られています。
以下、リンクを貼っておきますね。
https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs5-4a/kids/full.pdf
この中に、<クマとの出会いをさけるために>として
・クマのことを知る
・クマの出没情報に気をつける
・クマに自分の存在を知らせる
・クマの隠れ場所になりそうなところに注意する
などあります。
また、<もしクマに出会ったら!!>として
●遠くのクマに気づいたら
・落ち着いてその場から離れる
・大声を出さない、走って逃げない、写真を撮るためにフラッシュをたかない
●近くのクマに気づいたら
・落ち着いてその場から離れる(その際、クマに背を向けず、クマを見ながらゆっくり後退する)
●すぐ近くでクマに出会ったら
・冷静に、あわてず、クマが立ち去ってからその場を離れる
・突発的に襲われたら、両腕で顔や頭をガードして大けがを避ける
とあります。
人と動物が安心して暮らしていくためにも、野生動物とのゾーニングは必要だと思います。
環境省の 人とクマのすみ分け対策 に期待したいですね。
これからゴールデンウイークも始まり、山など自然の中に行かれる方も多いかと思います。
情報を十分に集め、クマ鈴などご自身を守れる装備もしっかりなさって事故を防いでくださいね。